・データB・・・暖房時、エアコンの電気代
エアコンのカタログには、機種ごとに色々な情報が載っています。(下記は、実験住宅に設置してあるエアコンの情報です。ダイキン製アメニティビルトイン形、2.8Kw機種。)
その中でも電気代に関するものについて見ると、初めに、「消費電力(W)」があります。太い字で書かれた消費電力(暖房時、990W)は、定格と呼ばれるもので、
実際は、( )内にあるように、外気温度・室内温度に影響を受けて、可変しています。
そしてもう一つ、「消費電力量期間合計」があります。この算出は、JISで規定されていて、たとえば、暖房は、設定温度20℃、暖房期間が11月8日から4月16日。使用時間は、6:00〜24:00。
すべて、東京地区をモデルにして算出するという具合です。
データは、2日間以上の電力量を二通り測定しました。一つが24時間回し続けたデータ。もう一つが、日射のある10:00〜15:00まで、5時間停止したデータです。実際のデータとエアコンの定格を元に、予想した消費電力、
さらに、1日あたりの電気代、ひと月あたりの電気代を計算して作った表が下記です。
条 件 | 予想消費電力量 | 実測値 | 1時間の消費電力 | 1日の電気代(目安) | ひと月の電気代(目安) |
連続運転(51時間) | 50.49kwh | 22.47kwh | 440.6w | 296円 | 8,880円 |
タイマー運転(72.5時間) | 56.93kwh | 43.01kwh | 593.2w | 399円 | 11,970円 |
*電気単価は、28円/kwhで計算。
<まとめ>
・今まで、エアコンを動かすと、実際にどれほどの電気を消費しているのか、詳しくは知りませんでした。今回、データをとることによって、その目安がわかりました。
全館冷暖房の場合、エアコンのカタログ値の定格以下の電力を消費していると考えてよさそうです。
(「暖房負荷計算で選んだエアコンの能力が大きかった。」とも言えますが、カタログ値の暖房目安(15〜18u)の4.7倍の広さで使用しています。)
・全館エアコンは、温度を設定すれば、「エアコンの自動運転にまかせて連続運転がいい」と思っていましたが、温度変化を観察して考察した結果、暖房時、日射の得られる昼間には、エアコン停止が賢い選択肢なのでは?と迷う事もありました。
今回の消費電力のデータで、「全館エアコンは連続運転でいい。」という結論に至りました。ただ、上記とは別に、設定温度18℃で連続運転したデータも採っていて、それを見ると、
明らかに消費電力が減ることから、「不在時の温度設定変更」という選択肢はまだ残りそうです。
・しかしながら、当初の頃と比較すると現在の昼間の外気温が上がっているので、そのデータ採取と考察は、次の冬に持ち越しします。
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